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神奈川県小田原市の会計事務所
神奈川県小田原市飯田岡91-3
神奈川県小田原市の会計事務所

整体やマッサージでは医療費控除は受けられない・・・はずなのだが?

確定申告の書類を作っていると、一番面倒くさいなぁと思うのが「医療費控除」の書類作成です。

慣れているはずの税理士ですら面倒だと思うくらいですから、普段こういう書類を作らない一般の人であればなおさらですよね。

医療費控除の内容や手続きについては、税理士として不満に思うこともいっぱいあるのですが、制度として存在する以上は処理しなければなりません。

そんな不満だらけの医療費控除ですが、良く聞かれるのが「整体やマッサージにかかったお金って医療費控除の対象になるの?」というお問合せ。

結論を最初に言うとすれば「ほぼ全ての整体やマッサージは医療費控除の対象にならない」ということです。

 

医療費控除の対象となるモノは限定されている

一定時用の医療費を支払った場合に確定申告をすれば還付を受けられる医療費控除という制度。
この還付を受けるための医療費については法律で明文化された規定があります。

医療費控除の対象となる医療費

 

この中の4つ目の項目に下記の文言があります。

あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の対価(ただし、疲れを癒したり、体調を整えるといった治療に直接関係のないものは含まれません。)

 

この文章を見た人が「マッサージ」の部分だけを抜き取って

[speech_bubble type=”drop” subtype=”L2″ icon=”1.jpg” name=”A さん”]「あ、マッサージでも医療費控除を受けることが出来るんだ」 [/speech_bubble]

と勘違いしてしまうようです。

 

知っている人は少ないかもしれませんが

▼あん摩マッサージ指圧師
▼はり師
▼きゅう師
▼柔道整復師

これら全ては国家資格です。
つまり、これらの国家資格を有する人たちが行った施術でなければ、そもそも医療費控除の土俵にすらあがらないわけです。

 

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治療の目的でなければダメ

そして、これらの有資格者が行う施術であったとしても、その目的が治療でなければダメです。

▼ 疲れたからマッサージしてもらおう
▼ はりやきゅうをしてもらうとリフレッシュできるんだよね
▼ 走りすぎて体に疲れがたまっているからほぐしてもらおう

こんな理由で施術を受けたとしてもNGということ。

あくまで医療費控除の対象となるのは治療に係る費用なのです。

 

そもそも治療とはなんなのか

ただ、そもそも「治療」という行為は何なのか?という疑問が残ります。

 

治療(ちりょう)とは、病気やけがをなおすこと。病気を治癒させたり、症状を軽快にさせるための行為のことである。
(wikipediaより)

 

言葉の意味を考えていくと、治療って人によって解釈が大きく違いますよね。

[speech_bubble type=”drop” subtype=”L2″ icon=”1.jpg” name=”A さん”] 「首が痛いけどどうすればいいの?」[/speech_bubble]

という人がいたとします。

ある人は「首が痛くて仕事ができないから治さなきゃ生きていけない」と思えば、その治す行為は治療ですよね。

ある人は「単なる肩こりだとは思うけど、はりでも打ってもらえばよくなるかなぁ」と思えば、ただの疲れを癒す行為と言えるかもしれません。

同じ施術をしたとしても、人によっては治療になったり治療で無かったりしてしまうわけですよ。

人によってとらえ方が変わってしまうモノについては、治療行為かどうかというコトは「ほぼ解釈の仕方」で変わってきてしまうのです。

 

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領収書だけでは分からない

解釈の仕方でとらえ方が変わってきてしまうものについて、その内容を領収書だけで判断するのは無理です。

だって同じ治療院で発行された領収書であれば基本的に書式は一緒。
マッサージ目的だろうが、治療目的だろうが、同じ領収書であれば領収書だけでは見分けがつきません。

 

[speech_bubble type=”drop” subtype=”L2″ icon=”1.jpg” name=”A さん”]「保険が適用になっていればOKでそれ以外はダメなんじゃないの?」[/speech_bubble]

 

と思っている方もいるかもしれませんが、法律には「保険適用でなければNG」なんてどこにも書いてありませんので、保険適用外でも治療目的であればOKなのです。

領収書を発行する治療サイドが
「これは治療なので、但し書きに治療代って書いておきますね」
「これはマッサージなので、医療費控除に使えませんよ」
なんて気の利いたことをしてくれればいいですが、そんな期待はできません。

逆に治療院では
「医療費控除を使えることをアピールすれば集客できるかも?」
なんて考えて、治療ではないマッサージも治療代として領収書を書いているかもしれませんよ。

 

まとめ

最終的な結論とすれば

「はり師などの有資格者が行った治療に関する領収書」

だけが医療費控除の対象となる領収書です。

そして治療かどうかの判断は「施術を受けた自分のとらえかた」だと思っていただいて結構です。

個人的には、はりやマッサージなどを受ける方の多くは「体調を整えたり疲れをとりに行ったりするのが目的」だろうと思っているので、ほとんどのこれらの費用は医療費控除の対象外だろうと思っています。

ただ、法律的に抜け穴だらけ。
さらに全ての医療費の領収書について、まともに税務署がチェックできる状態ではありません。
(数人の職員で何千、何万の領収書をチェックできるわけがない)

全ては納税者の良心にお任せ状態ですので、もうちょっと分かりやすい制度説明を国がしなければダメですね!

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神奈川県小田原市で税理士やってます♪
シンプル化&ITツールの導入で仕事を効率化するのが得意です。
トレイルランやマラソンも大好き。
今の目標は「トレイルランで百名山を制覇するコト」 です!

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