
フェラーリを経費にするための3つのポイント!~仕事とプライベートをきっちり分ける~
都内などの都会と違って、地方・郊外の田舎で仕事をするためには、どうしてもクルマという交通手段が欠かせません。
いくらクラウドサービスなどを活用したからと言っても、まだまだお客様や関係業者のトコロに訪問する必要はありますからね。
これは私たちの業種だけではなく、どんなビジネスにおいても言えることかもしれません。
来店型のビジネスである飲食店や理美容業、小売店でも、商品の仕入れや配達などにもクルマが必要でしょうし、建設や土木にもワンボックスやトラックなどが必要でしょう。
なかにはクルマ自体が「移動型のオフィスや店舗」になっている人もいますしね。
もちろん仕事に使っているわけですから「クルマにかかる費用」は経費にすることが出来ます。
ただ、どんなクルマでも経費にできるのか?と言われると、少し微妙な部分もあるのですよね。
例えば、社長がフェラーリを社用車として経費にしてもOKなのでしょうか?
フェラーリだろうが仕事に使っていればOK
実は実際に「フェラーリが会社の経費になるのかどうか」ということが争われた裁判があります。
【裁判事例】
消費者金融業を営んでいた納税者Aさんは、通勤やお店を回る移動手段として、排気量4.94Lの2,700万円のフェラーリを購入。
そのフェラーリに係る費用を会社の経費にしていました。Aさんの会社に税務調査に入った税務署は、そのフェラーリに対して
▼ フェラーリは、仕事に使っていたかどうか曖昧で経費であるとは認められない。
▼ フェラーリは高級スポーツカーであり、Aさんの事業内容や社会常識から考えても、個人的な趣味の影響が大きい。
という理由で「経費にできない」と判断しました。金融業者の社長Aさんは、「税務署の言い分は納得できない!」と異議申立てをしました。
このような場合には、納税者と税務署の争いを解決するために「国税不服審判所」というところが間に入って仲裁・解決をします。
その国税不服審判所の判断は
「本件車両(フェラーリ)については、事業の用に使用したものと推認することができる。」
として税務署に経費に出来ないという処分を取り下げるように指示しました。(平成7年国税不服審判所事例より)
それでは、なぜ国税不服審判所は「フェラーリが事業に使われていた」と推測できたのでしょうか。
それは以下の3つの理由があったからなのです。
フェラーリが経費として認められた3つの理由
第1の理由:実際に3年間で7,598km走行していた
1つ目の理由は「ホントに会社の仕事に使っていた」ということです。
個人的な趣味で購入した場合、仕事には使っていないケースも良く見受けられます。
例えば、普段の現場にはワンボックスの作業車で往復している建設会社の社長が、週末のオフの時にメインで使うためスポーツカーを持っていたとします。
「週末のミーティングに行く時には乗っている」といっても、それはあくまで副次的なものですよね。サブの目的です。
普段の現場にも2ドアのスポーツカーで行っているというのであれば経費にしても良いでしょうが、サブの目的で利用していたとしたらダメでしょうね。
今回のケースでは、実際に社長が各支店をフェラーリで周っていたようです。
その社長のスタイルはバブルそのものですが、ほかに旅費や出張手当も貰っていなかったようですしね。
実際に仕事で使っていたというのが大きなポイントです。
第2の理由:ほかの個人所有の車は経費にしていない
実はこの社長はフェラーリ以外にも、ベンツとロールスロイスという高級外車を持っていたそうです。
実質的にフェラーリを含めて3台も高級外車を持っていました。
ただ、会社名義になっていたのはフェラーリのみで、残りの2台は個人所有。
つまりベンツとロールスロイスに関する費用は一切経費に入れていなかったのです。
社長は「フェラーリは仕事に使っているから経費にしているが、ベンツとロールスロイスは仕事に使っていないから経費にしない」とキチンと区分していたのです。
これ、意外に出来るようで出来ないことですよ。
儲かって利益が出てくると、何でもかんでも経費にしてしまえという人が多いのですが、この社長はキッチリと分けていたんですね。
国税不服審判所も「私的な部分をきちんと分けているなら仕事にしか使っていないんだろう」と推測できたわけです。
第3の理由:利益を出して税金も払っていた
これだけ高級外車を持っているくらいですから、本業の方でも多くの利益を出していました。
年間で4億円も利益を出して納税額も1億5千万円を超えていたそうです。
今回のフェラーリの購入金額は2,700万円ですが、利益の金額に比較すれば10%以下です。
クルマは6年間の減価償却というカタチで経費にしていきますので、1年間の費用として考えれば数百万円です。
確かに我々一般人の感覚からすれば、2,700万円のフェラーリは超高級外車ですが、4億円利益のある会社にしてみればそこまで大きな金額というワケではありません。
相対的な割合で考えれば、400万円の所得のサラリーマンが27万円の中古車を買うのと同じことになります。
公務員である税務署の職員にとってはフェラーリは高嶺の花なのかもしれませんが、この社長にとっては「ただの足」にしか過ぎないということです。
自分の身の丈に合った資産であれば、例え高級外車のスポーツカーであっても経費に出来るというコトです。
これらのような客観的な理由が背景にあったので、国税不服審判所も経費として認めてくれたんですね。
ですから、どんな人でもフェラーリを経費に出来るというワケではないので注意してください!
スポーツカーを経費にするには?
「4ドアの中古のベンツが節税対策になる」なんて本が流行ったことがありましたが、あんなものは気にする必要はありません。
結局、見栄を張ってイイ車を買ったとしても、税金は安くなってもお金が残るわけでは無いですしね。
たとえどんな車であったとしても
① ちゃんと事業に使うための車であること
② プライベートと仕事をきっちりと分けているコト
③ 身の丈に合った資産であるコト
という3つの要件が揃っていれば経費に出来るというコトです。
逆に経費として認められないようなケースを考えるとすれば
▼ 自分の仕事の現場には乗っていけないようなスポーツカー
▼ 仕事以外で使っている嫁さんや子供のクルマ
▼ 年商1,00万円しかない副業の経費に1,500万円もするマイカーを経費にする
というような場合です。
このような場合には、税務調査が入ったら「ダメ!」と言われること間違いなしですよ!
まとめ
私もクルマが大好きなので、速そうなスポーツカーを見ると「かっこいいなぁ・・・」と憧れてしまいます。
(個人的にはイタリア車よりもよりもドイツ車好きなのですが)
いつかは自分もポルシェに乗ってみたいと思うのですが、そのときは仕事の経費には出来ないですね。
さすがにお客様のところにポルシェで行くのは気が引けます…。
あー、そんな日が来ることを妄想しながら今日も仕事を頑張りましょう!
そんな目標があった方が毎日頑張れますね!
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【編集後記】
昨日、子供の自転車を買いに行ってきました。
子どもの自転車を買う目的でお店に行ったのに、ついついスポーツサイクルコーナーに足がすすんで行ってしまいます。
【今日のトレーニング】
6:00/kmペースのゆっくりめで10kmほどジョグしました。
【1日1新】 1日1新についてはコチラ
子どもの自転車の購入
しゃぶ葉
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||