
間違えて貼った印紙をムダにしてませんか?
5万円以上の領収書や売買契約書など、一定の書類には印紙を貼る必要があります。
昨年、消費税が5%から8%に引き上げられた際、印紙を貼るべき領収書の金額も3万円から5万円に引き上げられました。
売買契約書や賃貸借契約書、請負契約書などほかにも印紙を貼る必要がある文書はいっぱいあります。
どういった書類に印紙を貼る必要があるのか、また金額がいくら以上の場合にどの印紙が必要になるのか。
分かりにくい部分も多いので、うっかり間違ってしまうことも良くあるかと思います。
このように複雑な印紙税ですが、もし間違って貼ってしまったり、貼るのを忘れてしまった場合にはどうすれば良いのでしょうか。
間違えた場合には還付を受けられる
「印紙を貼る必要のない書類に間違って印紙を貼ってしまった」
「印紙を貼った書類の内容が間違っていたので作り直さなければならない」
このようなケースはよくあることかと思います。
そのようなとき、もったいないけど印紙ごとまとめて書類を廃棄してしまったりしていませんか?
このような場合には、税務署で手続きをすることによって印紙税の還付を受けることができます。
還付の対象となるケース
還付の対象となるケースは下記のような場合です。
① 請負契約書や領収書などに貼り付けた収入印紙が本来よりも多かった場合
(例:200円の印紙で良かったのに400円の印紙を貼ってしまった)
② 印紙が不要な文書に間違えて収入印紙を貼り付けてしまった場合
(例:売上以外の預り書に印紙を貼ってしまった)
③ 書類に収入印紙を貼り付けたが、その書類の使用をしなくなった場合
(例:契約書を作成したが、内容に変更があったので作り直した)
このような場合には、税務署に対して「印紙税の過誤納請求」をすれば、多く納めてしまった印紙税の還付をしてもらえます。
ただし、申請したその場で還付を受けることはできません。
書類の審査の後、後日指定した銀行口座への振込か郵便局送金により受けとることになります。
上記のような場合には還付を受けることはできますが、次のような場合には還付を受けることはできません。
▼ 不動産登記などには登記印紙というものが使用されますが、ここに誤って収入印紙を貼ってしまった場合には還付されません。
(印紙には種類があります。間違った印紙を貼らないようにしましょう。ちなみに印紙と証紙も違います)
▼ いったん契約は成立したが後日修正が入り契約書を作り直した場合、最初に作成した書類に貼った印紙は還付されません。
(いったん文書として成立してしまっているため)
▼ 最初に100万円の領収書を切ったが、あとでその領収書を返して50万円2枚に切りなおしても、最初の100万円の領収書に貼った印紙は還付されません。
(これもいったん文書として成立しているからです)
印紙税は「行為」ではなく「文書」に対して課税されるものです。
一回有効になった文書は、後で作成しなおしても還付にはなりません。
還付を受ける手続
印紙の還付を受ける場合には、税務署に用意してある「印紙税過誤納確認申請書」を使います。
申請書に必要事項を記入して、基本的に自身の納税地の税務署に提出します。
(契約書などの内容によっては申請地が異なるケースがありますので注意しましょう)
この時に必要となるのは以下の二点です。
① 印紙を間違えて貼ってしまった書類など
② 印鑑(法人の場合は代表者印)
また印紙税は銀行口座振込あるいは郵便局を通じての送金ですので、振込先口座が分かるものもご用意ください。
使用していない印紙は郵便局で交換できる
「契約用に印紙を買ったけど、その契約しないことになったので使わなくなってしまった」
「買っておいた印紙が古くなって汚れてしまった」
使っていない印紙や汚れてしまった印紙、破損してしまった印紙は郵便局で交換できます。
例えば20,000円の印紙を200円の印紙100枚に変えることも出来るのです。
1枚当たり5円の手数料がかかりますが、うまく活用すれば無駄も省けます。
ただ、一回買ってしまった印紙は換金することはできません。
印紙同士の交換のみになりますので注意してくださいね。
最近は法人税や所得税の調査と併せて、印紙税の調査も行われるケースが増加しています。
印紙の貼り忘れが無いように注意しましょう!