
税理士とはどんな仕事をするのでしょう?①~税理士にしかできない3つの仕事~
税理士とはどんな仕事をする仕事なの?
租税教室などで小学生から高校生の子供たちと触れ合う機会もちょこちょこあるのですが、子供たちにとっては税理士なんて全く知らない存在です。
そう言う自分も今でこそ税理士としてバリバリ働いていますが、税理士という存在を知ったのは大学に入ってからのこと。
税理士なんてまったく興味もなかったし、そもそもどんな仕事をしているのかも知りませんでした。
ただ、税理士ってとっても面白い仕事なんです!
子供たちをはじめ、いろんな人に税理士の仕事を知ってもらいたい。
高校生の子たちにも分かるように税理士の仕事というものを何回かに分けて紹介したいと思います!
まずは税理士しかやってはいけない仕事について紹介しましょう。
かわりに税金の計算をしてあげる「税務書類の作成」
税理士という名前があらわすように、一番のメインとなるのは「税金を計算する」という仕事です。
[voice icon=”https://suzuki-kaikei.net/wp-ver3/wp-content/uploads/2016/05/image1.jpg” name=”Aさん” type=”r fb”]なんだぁ、それじゃあ税務署と一緒じゃないの?[/voice]と思うかもしれませんが、実はぜんぜん違うのです。
日本の税金は「自分自身で税金がいくらになるかを計算して支払う」というシステムになっています。
(これを難しい言葉で申告納税制度と呼ぶのですが、言葉なんて覚えなくても大丈夫)
サラリーマンやOLさん、アルバイトの人たちは会社からもらうお給料が収入のメイン。
これらのお給料については会社が年末調整という手続きをしてくれるので、自分で税金の計算をしなくても大丈夫になっています。
ただ、会社やお店の経営をしていたり、フリーランスとして働いている人は自分で税金の計算をしないとダメなんですね。
その税金の計算をするためには色々な資料をつくる必要があります。
この必要な資料というのがクセモノ。わざと難しく書いているんじゃないのかと思えるくらい不親切だったりします。
もちろん自分で税金の勉強をすれば、計算するのに必要な資料をつくることは出来ますが、本業で忙しい人にとってはなかなかそれも難しいのが現実。
[voice icon=”https://suzuki-kaikei.net/wp-ver3/wp-content/uploads/2016/05/image1.jpg” name=”Bさん” type=”r fb”]だれか代わりにメンドクサイ手続きをやってくれる人がいないかなぁ・・・[/voice]という人が出てくるのも理解できますよね。
こういった「申告しなければならない人たちの税金の計算書類を作ってあげる」というのが、税理士の大きな仕事の一つです。
(このようなお仕事のことを「税務書類の作成」と言います。)
その人にあったサポートをする「税務相談」
[voice icon=”https://suzuki-kaikei.net/wp-ver3/wp-content/uploads/2016/05/image1.jpg” name=”Cさん” type=”r fb”]書類の書き方がわからなければ税務署でも教えてくれるでしょ?[/voice]
確かに税務署に行けば、税金の申告書の書き方は教えてくれます。
ただ、極端な言い方をするとすれば書き方を教えてくれるだけです。
さきほども書いたように日本の税金のシステムは「自分で税金がいくらになるのかを計算して支払う」というカタチ。
ですので計算のやりかたによって支払う税金の金額が大きく変わってしまいう可能性もあるのです。
どうすれば税金が少なくて済むのかなんて言うことは税務署は教えてくれないんですよー。
その点、税理士というのは税金のスペシャリストですので、どうすれば一番メリットがあるのかということを考えながら計算をしています。
人によって状況も違うので、その人に一番あっているのはどういうカタチなのかということを見ているんです。
もちろん、日本国民である以上はキチンと税金は支払わなければなりません。
ただ、必要以上に税金を支払う必要もまったくないのです。
正しいカタチで必要とされる税金を計算するのが、税金のプロとしての税理士のスタンス。
必要最小限の税金にすることを「節税」と呼びますが、税務署では決して節税については教えてくれないのです。
(法律違反をして税金を計算するのが「脱税」。節税はあくまでも法律の範囲内で行うものです。)
こういった税金に関する相談(「税務相談」と言います)にのってあげるのも税理士の仕事の一つです。
税務署のプレッシャーから守ってあげる「税務代理」
だれでも人からチェックを受けるのは嫌なモノ。
期末テストや模擬試験など、学校でもチェックをされるようなものはプレッシャーがかかりますよね。
会社や自営業の場合でも、税金を計算するための書類が正しく作られているのかどうかということをチェックされることがあります。
このチェックというのが税務署が行う税務調査というもの。
もちろん正しく計算がされていれば全く問題がないのですが、人間が計算する以上は多少の間違いがあるかもしれない。
もし大きく間違っていたら、追加で税金を支払わなければならなくなります。
やはり税務署は税金を集めるプロ集団ですので細かいところまでよく見ています。
身ぐるみ剥がされてしまうのではないかという不安を持っている方もいるくらいです。
そんな時、税務署との間に入ってあげるのも税理士の仕事の一つ。
(こういった仕事を「税務代理」と呼んだりします)
税務調査に立ち会ったり、代わりに税務署と話をしてあげることによって、不安を和らげてあげることができます。
なかにはとんでもない要求をしてくる税務署もありますが、そういった場合でもキチンと法律に従って対処すれば大丈夫。
税務署が与えてくる見えないプレッシャーから守ってあげます!
これらの仕事は税理士しかやってはダメなんです!
こういった仕事を整理していくと
① 代わりに税金の計算をする・・・税務書類の作成
② 税金についてのアドバイス・・・税務相談
③ 税務署との間にはいる・・・税務代理
という3つが挙げられます。
実はこれらの仕事というのは税理士しかやってはいけない独占業務のです。
たとえ税金の知識があったとしても、税理士以外の人はこれらの仕事をしてはいけないと法律で決められています。
例えば、医者の資格を持っていない人が勝手に手術をして、メスで体に傷をつけた場合には傷害罪という犯罪になります。
同じように、税理士の資格を持っていない人が、誰かのかわりに税金の計算をしてあげた場合には税理士法違反という犯罪になります。
お金をもらっていようが、タダでやっていようが、これらの仕事は税理士しかやってはいけないんですね。
まとめ
このように税理士しかやってはいけない仕事というものがいくつかあります。
「税金に関するコト」というのは想像以上に身近なものです。
会社経営などのビジネスをしている人だけでなく、ちょっとした収入や相続の時なども税金がからんできます。
さまざまな場面で税理士の仕事が必要になっているんですよ~。