
たとえ合法でも租税回避はダメ? ~報告しないと罰せられることになる~
ちょっと前の話ですが「パナマ文書」と呼ばれるものが世界を席巻していましたよね。
世界中のお金持ちが法律の網をかいくぐってお金を貯めこんでいたのではないか?ということで話題になりました。
このパナマ文書によって色々なコトが明らかになりましたが、その中でも話題になったのが「租税回避」という問題。
この「租税回避」という行為はいろいろな問題を含んでいるのです。
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租税回避というモノ自体は犯罪ではない
租税回避というと「何か悪いことを企んでいるのではないか?」という感想を持つ人も多いかもしれませんが、実際にこの行為自体は犯罪ではありません。
もし租税回避を定義するとすれば
法律では想定されていない方法で税金の負担を減少させるコト
となるでしょうね。
租税回避と似ているものとして「脱税」というキーワードがあげられるかと思いますが、脱税は「法律に違反して税金を逃れること」なので立派な犯罪。
それに対して租税回避は決して法律に違反しているわけではありません。
法律に書いていなかったり、法律が想定していなかった方法で税金を少なくする行為なのです。
例えば、Aという国では税率が40%、Bという国では税率が20%だったとします。
お仕事をして1,000万円の利益があった場合、Aという国であれば400万円の税金がかかるのに対し、Bという国であれば200万円の税金で済むわけです。
ただ、だからと言って税率の低いB国に行けば良いというわけではありませんよね。
A国でなければ1,000万円の利益が稼げないかもしれないからです。
ここでワル知恵を働かせる人が出てきます。
「実際にはA国で仕事をして利益を出しているのに、B国に本拠地を移してしまえば税金を200万円で済ませられるのではないか・・・( `ー´)ノ」
このように考えた人たちは税金が安い国(タックスヘイブン)に会社を作って合法的に税金を逃れようとしているわけです。
パナマなどはタックスヘイブンの代表的な国。
今回のパナマ文書という事件は、いかにこのように合法的にお金を残そうとしていた人が多かったかということを証明しているわけです。
租税回避は海外取引だけではない
租税回避というと「自分とはあまり関係がないよね」と思う人も多いかもしれません。
ただ、この租税回避という問題はみなさんが「少しでも税金を安くしたい」という思いの延長でもあるのです。
庶民レベルの税金対策が「節税」、大富豪レベルの税金対策が「租税回避」という考え方もあるくらいです。
租税回避の予防に国も動き出した!
ただ、そんなことを派手にされていたのでは国も黙っているわけにはいきません。
そんなことを野放しにしてしまっていては、国の大事な収入である税金も少なくなってしまいます。
そこで国では、極端な租税回避については税務署に報告させることを義務付けるようです。
財務省と国税庁は企業や富裕層に租税回避策を指南する税理士に仕組みの開示を義務付ける方針だ。
租税回避地(タックスヘイブン)に資産を移すなど悪質な税逃れを把握する狙い。
成功報酬を受け取るなどした税理士に具体策を開示させ、拒んだ場合の罰則も設ける。
適正な助言も開示対象に含むが、米国など各国も開示制度を設けており、税制の不公平感の解消につなげる。
(2016/8/23 日本経済新聞より)
制度の趣旨としては、お金持ちなどに対して税理士やコンサルティング会社が節税案(租税回避案)を指南した場合
①成功報酬を受け取る
②納税額を減らすための損失などを生み出す
③守秘義務がある(その手法を公開しない)
などに当てはまった場合には、税理士などはその方法を国に報告しなければならないのです。
要は「租税回避のためのスキームは国に報告しないとペナルティを課すよ!」ということ。
しかもそのプランを練った税理士やコンサルティング会社にもペナルティが課せられてしまうのです。
現実問題とすれば、そんなリスクを冒してまで租税回避を指導する人もいないでしょうから一定の抑止力にはなりそうですね。
まとめ
今回の対象となるのはそこそこのお金持ちの人。
庶民レベルの私たちには少し関係の薄い話かもしれません。
ただ、最近は悪質な租税回避行為や節税についてはペナルティを課されるケースが増えているように思われます。
また、税務署以上に一般の方の目も厳しくなりました。
どこかの都知事も「違法ではないけど倫理的にどうなの?」ということで退場させられましたよね。
合法だからいいというわけでは決してないのですよ!
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【編集後記】
台風で電車のダイヤが大きく乱れそうだったので、早目に予定を変更して外出は控えました。
ムリは禁物。早目の対策が大事ですね。
【今日のトレーニング】
5:40/kmペースでの調整で12kmほどのジョグ。
カラダが重いなぁと感じています。
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