
会社の設立を考えるなら専門家に相談した方が絶対おトクになる理由とは?
1年間のうちで3~4月は、個人で事業をされていた方から会社を設立したいという相談を受けることが多いです。
いわゆる「法人成り」というモノです。
確定申告が終われば、昨年の収入や利益(所得)が分かります。
会社にするかしないかのタイミングも判断しやすいですしね。
会社を設立する一番良いタイミングというものは、その人の状況によって変わってきます。
それぞれの方の状況に応じて個別に判断する必要があるんですよ。
タイミングを間違えてしまえば、ヘタすると100万円以上も税金などで差が出てしまうこともあります。
具体的にどういったケースの場合であれば会社にすることを考えた方が良いのか見ていきましょう!
売り上げが順調に上がって行った飲食店の場合で考えてみよう!
平成26年4月に脱サラして飲食店(居酒屋)を開業。
1年目(26年)は設備投資が多かったり認知度が低かったりしたため、売り上げは800万円くらいで利益はちょっとだけマイナス。
2年目(27年)は頑張って営業したので順調に売り上げも増加。年間売上で2,800万円で利益は500万円くらい。
従業員はアルバイトだけだったけど、今年は社員も入れようかな?
3年目(28年)の今年は売上目標4000万円で利益は1000万円目指すぞ!
もうこういう場合は絶対に会社にした方がイイですね。
会社にした方がメリットがいっぱいあります。
消費税で100万円以上トクする
昨年(27年)に売り上げが1,000万円を超えていますので、来年(29年)の売上については消費税を納める必要が出てきます。
逆を言えば、今年(28年)の売上については消費税を納めなくてもいいんですね。
仮に飲食店で売り上げが4,000万円だった場合、だいたい200万円くらいの消費税を納める必要があります。
(計算方法により若干異なりますが、だいたいこのくらいをみておいた方がイイですね)
売上が今年と変わらず2,800万円くらいだったとしても、140万円くらいは消費税を納めなければなりません。
この消費税の納税って結構影響が大きいです。
平成28年中に会社を設立して法人なりすれば、最長で2年間前後は消費税の納税を先送りすることが出来ます。
ですから今回のケースの場合は400万円くらい納税額に差が出るかもしれません。
所得税・消費税で50万円以上トクする
売上と一緒に利益(所得)も増えていますので、それに併せて所得税や住民税の納税額も増えていきます。
仮に所得が1000万円前後だとすれば、所得税と住民税を合わせた税率は約30%になります。
単純に「1,000万円×30%=300万円の税金」というわけではないのですが、それでも所得税や住民税の負担は大きいのですよ。
これを「会社にしてお給料を取るカタチ」にすることで所得税や住民税の金額を抑えることが出来ます。
具体的な計算方法を説明するとややこしくなってしまうので省略しますが、だいたいこのくらいの所得がある方なら年間50万円くらいは納税額に差が出てきます。
この効果は消費税と違ってずっと続いていきますので、利益が多い=所得が多い人ほど効果が高いんです!
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経費にできるものが増えるのでトクする
これは業種によって異なったりしますが、一般的に個人事業よりも会社にした方が経費にできるモノの幅が広がります。
例えば、事業主に対する生命保険などの福利厚生費や同居の家族に対するお給料なんかですね。
個人事業の場合には制限があったり、そもそも経費にできなかったものも、会社にしてあげることで経費にすることが出来たりします。
ただ、だからと言って何でも経費にできるわけであはありませんよ!
このあたりは内容によって変わってくるので、出来れば専門家の知恵を借りながら判断していった方が間違いないでしょうね。
「会社だから何でも経費にできるんでしょ?」と勘違いされる方もいますが、そうではありませんので注意しましょう。
デメリットもあるので良く考えよう
今回のようなケースはメリットの方がダンゼン大きいのですが、会社にしてしまうことでのデメリットもあります。
社会保険の負担は増える
会社にすると基本的には「社会保険料」の負担が増えます。
国民健康保険は健康保険に、国民年金は厚生年金に切り替えなければならないのですが、負担は個人と会社で折半するカタチです。
[kanren postid=”1331″]サラリーマン的には「会社が半分負担してくれるからありがたい」と思われますが、自分自身で会社を設立した場合、実態としては全額自分たちで負担するようなイメージになります。
だって、会社って言っても自分自身の会社ですからね。個人事業のままであれば負担しなくて良かった部分です。
どれくらい負担が増えるかというのはその人の給料をいくらに設定するかに依ります。
例えば今回のように利益(所得)分である1,000万円を給料というカタチでとった場合、社会保険の年間負担は個人・会社負担合計で250万円ほど。
国民年金+国民健康保険の場合になら約100万円ほどなので150万円くらいは負担が増えることになります。
もちろん、厚生年金に切り替わるので将来貰える金額は増えますが、今の段階でこれだけ負担が増えるのは大きいかもしれません。
ただ、給与として取る金額のバランスを考えてあげることで、この負担増加を最小限にとどめることもできます。
このあたりのノウハウは専門家でなければ分からない分野ですね。
法人税の申告書作成はムズカシイ
会社にすれば「法人税」という税金の申告と納付が必要になります。
個人と違い、会社の場合にはたとえマイナスであっても、全く動いていなくても、基本的には申告書を作らなければなりません。
個人の所得税の確定申告なら、何とか頑張れば自分で作れるレベルです。
ただ、法人税の申告書は・・・正直普通の方では作れるレベルではないです。
今回のようなケースだと、所得拡大税制などのメリットもありそうですが、一般の方だとそこまで気が回らないでしょうね。
税務署もそこまで教えてくれるほど親切では無いです。
よっぽど研究熱心な方であれば出来るかもしれませんが、正直そんな労力をかけるのであれば本業に専念した方が無難です。
ランニングコストとがかかる
個人の時と比べればランニングコストもかかります。
私たちのような税理士に依頼する場合でも、個人よりも法人の方が基本的に手数料は高くなります。
そりゃ、個人の時よりもやることは多くなりますからね。
ネットバックなども、個人の場合は無料だったものが月額2000円前後かかったりします。
今はやりのクラウド会計だって、月額1,000円くらいのものが2,000~3,000円程度になったりします。
このあたりの負担増をまかなえるだけのプラスが無いと厳しいかもしれませんね。
今回のようなケースであれば、その程度のランニングコストの増加なんてすぐにペイできてしまいますけどね。
利益がそんなにないのであればキツイかなぁ。
まとめ
結論として、今回のようなケースの場合には明らかに会社を作った方がおトクです。
出来れば年内中に会社にした方がいいですね。
出来れば夏くらいまでに決断した方がイイと思います。
会社にした方がイイかどうかということの判断は「その人の状況によって全く異なる」と思っていただいて良いでしょう。
例えば、デメリットで上げた社会保険の負担増についても、小さなお子さんや奥様がいるようなケースでは敢えて加入できるようにした方がメリットがあります。
万が一の時には遺族年金や障害年金などももらえますし。
このようなことを総合的に判断して結論を出した方がイイですね。
このような「法人化シミュレーション」は私の得意とする分野なので、会社の設立を迷っている方は是非ご相談ください!
[blogcard url =”http://odawara-kaigyo.com/”]
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【編集後記】
会社設立のお問い合わせが非常に多いです。
それぞれの方のメリットデメリットを含めてご相談にのらせていただいています!
【今日のトレーニング】
もうちょっとだけお休みします。
【1日1新】 1日1新についてはコチラ
東京ステーションホテルのラウンジ
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