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所得拡大促進税制で給料アップ

スタッフの給料が増えれば税額控除が受けられる!~使いやすくなった所得拡大促進税制とは?~

長く続いていた緊急事態宣言もいったん終了し、ここからもう一度事業を見直していこうと思われている方も多いはず。
新規スタッフの採用などに向けて動き出した会社も増えてきました。

税制においてもそういった中小企業をバックアップしている制度があります。
それが「所得拡大促進税制」というものです。

所得拡大促進税制とは?

所得拡大促進税制とは、前期と比べて給与などの支払額を増加させた中小企業や個人事業者に対して、その増加した給料の金額の15~25%相当額を法人税や所得税から控除できるという制度です。

従来から「お給料の支給額を増やした場合には税額控除があるよ~」という制度はあったのですが、若干使いにくかったという面があります。
そういった声を反映して、令和3年度の税制改正によってもう少し使いやすい制度に見直されました。
ちなみに今回の改正が反映されるのは、中小企業であれば令和3年4月1日以降に開始される事業年度から、個人事業主については令和4年分の確定申告から対象となります。

どういった点が改正になったの?

一番大きな改正点は「適用要件が一本化して簡素化された」というところです。

従来の制度では、基本的に前期から今期にかけてずっと在籍していた雇用保険対象のスタッフの給料のみを抽出して計算する必要がありました。
ですので、中途入社した人や退職した人の給料などは一つ一つ確認しながら除いていく必要があったんですね。
この計算が結構面倒くさいので、適用をためらっていた会社が多かったとのです。

今回の改正によって、比較する給与は中途入社や退職などを加味することなく、あくまで前期に支払った給与と今期に支払った給与を単純に比較して増加しているかどうかを判定すればよくなりました。
雇用調整助成金などを受給している会社はもう少し計算が複雑にはなりますが、今までと比べればかなり計算は楽になったと言えます。

特にコロナ対策で給与を抑えていた中小企業も多かったはず。
ここで採用を増やしたりしていこうという企業にとっては非常に使いやすい制度になったと言えるでしょう。

 

具体的な計算内容はどうなっている?

今回の所得拡大促進税制は、「通常申請」と「上乗せ申請」の2パターンがあります。

(1)通常申請の場合

一般的な通常申請の場合について、概要は次のようになっています。

① 適用するための要件
基準となるスタッフの給料の総額が前年度と比べて1.5%以上増加していること
② 税額控除
増加した給料の金額に対して15%を法人税や所得税から控除する(上限は税額の20%まで)

例えばですが、前年の基準となるスタッフの給料が800万円、今年の給料が1,000万円だったとします。
そうすると1,000万円-800万円=200万円なので、200万円÷800万円=25%の増加となります。
ですので①の要件は満たすことになります。
要件は満たすので、200万円×15%=30万円が税額控除の金額となります。
(仮に法人税が100万円だったとしたら100万円×20%=20万円が上限になります)

(2)上乗せ申請の場合

上乗せ申請の場合について、概要は次のようになっています。

① 適用するための要件
基準となるスタッフの給料の総額がが前年度と比べて2.5%以上増加しており、かつ次のいずれかを満たすこと
▼ 教育訓練費が前年度と比べて10%以上増加していること
▼ 期末までに経営力向上計画の認定を受け、認定期間からその証明を受けていること
② 税額控除
増加した給料の金額に対して25%を法人税又は所得税から控除(上限は税額の20%まで)

上乗せ要件のポイントになるのは、教育訓練費の増加もしくは経営力向上計画というところですね。
カンタンに言えば、「給料のアップだけでなく、スタッフへの教育などへお金をかけて長い間働いてもらえるような環境を整えてね」ということです。
そういう企業に対しては国としても税額控除の金額を増やして応援していきましょうというスタンスです。
こちらについては細かい規定があるので、詳細は一番最後に国税庁などのリンクを貼っておきますのでそちらを参考にしてください。

やはり上乗せ申請の方が、作成しなければならない書類も多いのでハードルが高くなっています。
ただ税額控除の金額は非常に大きいので、積極的に採用活動を進めたい会社にはぜひ利用してほしい制度です。

 

いつまでが対象となるの?

この制度の対象となる期間は次のようになっています。

中小企業(法人)・・・令和3年4月1日から令和5年3月31日の期間内に開始する各事業年度
例)8月決算の場合・・・令和3年9月1日~令和4年8月31日と令和4年9月1日~令和5年8月31日の2期で適用可能

個人事業主・・・令和4年と令和5年の2年

いずれも2年間が対象期間となっていますので、この期間の決算は注意しておいてください。

 

注意しておきたいポイント!

この制度の適用にあたっては次のポイントを注意しておくようにしましょう。

ポイント① 給与には役員や親族への給料は含まない

この制度の対象となる給料は、基本的にスタッフへの給料が対象となりますので、役員報酬や事業専従者などの給料は含まれません。
正社員だけではなく、賃金台帳を作成しているパートやアルバイトの給料も含めたところで計算できます。
ただ、使用人兼務役員であったり役員の親族など一定の人の給料は対象外になるので注意しましょう。

ポイント② 助成金などについては控除した後の金額で計算をする

雇用調整助成金などの受給をしている場合には、控除額の計算などをする際に助成金の額を控除する必要があります。
ポイントは「実際に会社負担がどれくらいあるのか」というところになりますので注意しましょう。

ポイント③ 上乗せ措置は事前準備が必要

上乗せ措置を受けるためには、計画的な教育訓練の実施や経営力向上計画の策定が必要です。
教育訓練費の定義がすこし難しいので、経営力向上計画の策定の方を選択する企業が多いかもしれません。
その場合には、事前に経済産業省などのホームページからどのような手続きが必要かを調べておく必要があります。
手続きには時間がかかりますので、余裕をもって計画を策定するようにしましょう!

まとめ

令和3年度に改正された所得拡大促進税制についての概要を説明しました。
少しでも分かりやすくするため、記事の内容については用語の説明など簡略化していますのでご容赦ください。
実際の申請手続きや計算にあたっては、国税庁や経済産業省のホームページなどを参照してください。

経済産業省 所得拡大促進税制ガイドブック
コチラよりPDFを参照できます)

中小企業庁ホームページ

 

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走る税理士 鈴木一彦

神奈川県小田原市で税理士やってます♪
シンプル化&ITツールの導入で仕事を効率化するのが得意です。
トレイルランやマラソンも大好き。
今の目標は「トレイルランで百名山を制覇するコト」 です!

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