
年間の交際費の金額の相場はどれくらい?~10万円の売上をつくるのに交際費はいくら必要なのか~
事業をスムーズに進めていくための潤滑油となる費用が「交際費」。
やっぱりビジネスを継続していくためには、お客様や仲間たちと仲良くしていくことがとても大事。
楽しく仕事をするためには、ワイワイと飲みに行ったり手土産を持っていったり・・・というのも必要です。
でも、いったいどのくらいまでだったら交際費を使っても良いのでしょうか?
みんなどのくらい交際費を使っているかって知っています?
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小さな会社の年間で平均75万円ほどの交際費を使っている
国税庁では毎年、会社の税金の申告書から統計資料を作成しています。
どんな会社がどれだけ儲かっているか、黒字企業はどのくらいあるかなどの集計をしているんですね。
ある程度の資料がまとまると、その結果報告として「統計情報」というものを発表しています。
その中に「どういった会社がどれだけの交際費を支出しているか」という統計情報があります。
ただ会社と言っても、グローバルに活動している国際的な有名企業から町の小さな商店までいろいろあります。
全ての会社の情報を集約して統計しているので、金額をそのまま鵜呑みにするのもどうかなぁというトコロ。
ただ、小さな会社のほとんどは資本金1,000万円以下。
その部分を見ていけば、だいたいの中小企業や個人事業の状態がみえてくるわけですね。
その資本金1000万円以下のところを見ていくと・・・
年間で1社あたり758,000円の交際費を支出しているというコトが分かります。
1か月あたりにすれば約60,000円。
多いなぁと思う人もいれば、少ないなぁと感じる人もいるでしょう。
もちろん、資本金1,000万円以下の会社のであっても幅はあります。
売り上げが数十億のところもありますし、一人ぼっちの会社で売り上げも数十万円というところもありますからね。
10万円の売上のために必要な交際費は500円ポッキリ?
どちらかというと「1社あたりの交際費」を見ていくよりも、売上を基準として交際費を見ていった方が正確かもしれません。
国税庁のサイトには「10万円の売上を得るためにかかった交際費の金額」というのを公表しています。
平均していくと10万円の売上に対する交際費はたった544円と言うことが分かります。
つまり、これを自社の売上金額に当てはめていけば平均的な数値というのが分かるのですね。
例えば売上が年間で1,000万円の会社の場合、年間の交際費の平均額は
1,000万円÷10万円×544円=54,400円
ということになるわけですよ。
たぶん、飲みに行くことの多い社長さんやフリーランスの人にとっては
「え・・・、飲み代1回くらいにしかならねーぢゃん!(*´Д`)」
と思うかもしれません。
でもね・・・これが全体の平均なのです。
そのことは重々承知してから交際費を使ってくださいね。
業種によっても平均値は異なるよ!
ただ、そうは言っても交際費が多くなる業種とそうでない業種というのはあります。
得意先や仕入先などの取引相手が多くなる業界の人は交際費の割合が増えますし、そんなにお付き合いしなくても仕事ができるような業界でが交際費が減ります。
国税庁のサイトでも業界ごとの売上に対する交際費の割合が公開されています。
▼ 交際費の割合が多い業種・・・建設業、不動産業、サービス業、出版業、飲食業
▼ 交際費の割合が低い業種・・・鉱業、機械工業、金融保険業、卸売業
建設関係は平均の2倍以上も交際費が多いんですね。
外注さんとかも多いですし、職人さんはお酒好き?も多いということでしょうか。
それに対して工場などの製造関係は交際費が少なめですね。
自分のビジネスの交際費の平均値を知るには?
これらの業界の補正をかけていけば、より正確な平均値というものが得られるはず。
自分のビジネスの「平均的な年間交際費」というものが求められるでしょう!
全体の平均が251円(連結法人は規模が大きいので除外)ですから、それを基準にして補正します。
具体的には
① 自分の会社や事業の年間売上を10万円で割って544円をかける
② ①で出た金額にそれぞれの業種・業界に応じて補正をする
という手順をふめばいいですね。
例えばサービス業の方で年間売上が1,000万円の場合
① 1,000万円 ÷ 10万円 × 544円 = 54,400円
② 54,400円 × 386 ÷ 251 =83,658円
ということになり、「自分の会社ぐらいなら83,000~84,000円くらいが平均かな」ということが分かります。
決算を組んで年間の売上が分かったら、業界の平均と比べてみると面白いですよ♪
平均よりも多く使っていると税務調査が来る?
こわーいこわーい税務調査。
税務調査が入った際にチェックされやすい項目の一つが交際費です。
どうしても交際費というのはプライベートなものが混じりやすい費用。
税務署もそのあたりを知っているので重点的に調べられます。
税務調査で必ずチェックが入る「交際費」について知っておくべきコト!
一般的な業界の平均値というのを税務署も知っています。
あまりにも多い交際費が決算書に書いてあれば、税務署だって調べないわけにはいきません。
やはり交際費の多い会社や個人事業者というのは税務調査の対象となりやすいです。
交際費割合が多い建設業や飲食業、IT関係のサービス業も税務調査に入りやすい業種のランキングにも入っています。
個人で税務調査の対象になりやすい上位ランキング10位の業種とは?
決算をする際にはプライベートの費用が入っていないかなどのチェックはしておきましょうね!
まとめ
領収書さえあれば何でも経費になる・・・というわけではありません。
キチンと仕事に関係があるかどうかのチェックもきちんとしましょう!